月に一度は溺れたい

不真面目に真面目なブログです。感情豊かにセックスしたい。

可愛らしさ

可愛いという言葉は、筆者にとって特別な意味を持つ。
一番苦手で、一番憧れる言葉なのだ。


男女の区別が曖昧な小学生時代、筆者を囲む環境はどちらかといえば男性的で、スカートや長髪、ヘアゴムやヘアピンに嫌悪感さえ抱いていた。
道を歩けば少年に間違われ、野球帽をかぶりマウンテンバイクに跨って街を駆け抜けた。

それでもいつしか生理が始まり、恋も自慰もした。
中学生になり制服が与えられ、初体験を済ませた。
高校生になり制服が廃止され、ネクタイにスラックスを履いて出席した。
一人称は、『俺』だった。


男性はもちろん異性だと感じていた。
しかし当時の筆者にとって、女性もまた異性だと感じていた。
「可愛い」とは言われる言葉ではなくて、自分が女の子に向けて発する言葉だった。


可愛いは、容易くない。だから、言われた時は特別に嬉しい。
自分の中の昔の自分が、未だにこの言葉をくすぐったがる。
嬉しいのに、胸が刺すように痛むのだ。


可愛いを遠ざけてきた時間の分、途方もなくその言葉が欲しくなる瞬間がある。
全部見てほしい、全部見て、それでもあなたの前では可愛くいたい。


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