20歳年上男性の話。
「一周まわって、ピュアな恋愛とかしてみたいねん」
毎晩30分ずつの通話。
泥のように疲れきった筆者が寝落ちて会話があっという間に終わるのが、パターン化している。
西の人は、どうしてあんなに話題が途切れないのだろう、と不思議に思う。
環境の違いはここまでの差を生むのか、と口下手な自分なんかは思ったりもする。
「俺はどノーマルだからなぁ。性癖がない」
「強いていえば、スローセックス性癖やな」
まとまった時間が取れた日、2時間の時間を使って電話越しに絶頂に導かれた。
そしてそれをもう一度繰り返された。だから、快楽のシーンだけで4時間ほど使ったことになる。
「毎日」は必ずしも、誰に対しても得られるものではない。
同じ地域に住んでいるわけでもない、顔も知らない人と話して一日の終わりを迎えること。
仕事の話や考え方の話をするだけで終わる会話が、なぜか筆者を癒してくれる。
「仕事で帰りが遅くて大変やな。俺らの時間を取らんでほしいよな」
話し始めてまだ日が浅いにもかかわらず、彼は簡単に「俺ら」という言葉を使う。
それに対して、警戒する筆者とくすぐったく感じる筆者が共存する。
筆者の身体を心配する彼は、1度過労で身体を壊したことがあるらしい。
夜が寂しくなくなった。