不発の夏

花火大会、水族館、甲子園。
キーワードだけ並べれば、夏という季節を思い切り堪能しているように聞こえるだろう。
……と、記事タイトルを読んだ上でこんな言い回しをすれば、不満な心持ちも伝わるだろうか？
満たされていないのである。休暇はそれなりに取っているというのに。。

それなり、を具体的に言うと、規定の休みに加えて1日半の休暇を取った。
規定の休みがあることと、それに加えて休みが取れるということだけでも、ありがたいものだ。
規定の休みというのは、世間一般にお盆休みと言われる今現在の期間である。
しかし諸事情で、気分的に、あまり羽目を外したことができない。

夏に会えると約束した。
日にちも決めて、場所を相談している頃に約束は白紙になった。相手方の都合である。
初めて会えた人もいた。
自分の体調の関係で、キスをして2時間弱一緒にいただけでお別れをした。

普通のセックスでもいい、とさえ思ってしまう。
誰かが自分に性的な興奮を覚えて、がむしゃらに自分を求めてくることを、日に日に強く切望してしまう。
誰でもいいと言ったら嘘になる。しかし、貴方がいいと言えるほど拠り所にできる相手も居ない。
恋人は居る。でも求めたいものを持っている人ではない。

こんな場所でたまに文章を書くだけの、屈折した女になった。
本当は羽を伸ばしたい。10年来の友人の気ままな話を聞くと、本当に羨ましいと感じる。
自分は何を楽しいと感じる人間なんだろう。
ただ時間が過ぎていくことが、何よりも怖いと感じているのは確かである。

だから、お仕置きされたいのだ。
お尻を叩かれて、こうされたかったんだろ？って叱られて。
快感を求めてもお預けされて、苦しいくらいの焦らし責めに体裁も何もかもぐちゃぐちゃにされたい。
今のうちに……そういうことをしてもらえる相手に出会えるのは、今しかないと思う。

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