月に一度は溺れたい

不真面目に真面目なブログです。感情豊かにセックスしたい。

10歳年上男性(C)の話。

「バスタブいっぱいの水にインクを1滴垂らしたような気持ちでも良いならば、私は彼に恋をしていたわね」
確か、石田衣良さんの小説「娼年」のワンフレーズだったと思う。
絶対に正確に再現できていないので、間違っていても見逃していただきたい。


それくらいの恋だ。


7時間。
休日の過ごし方が下手なことで有名な筆者であるが、これは一日彼と過ごした時間である。
空間を共にしたわけではない。ただただ、通話で時間を共にした。


こういう出会い方で最も物理的距離が近い人だ。
今までは、何かあっても離れていれば安心だという気持ちで、話し相手を選んでいた。
何故そういう選択をしたかは覚えていないが、誤解を恐れずに言うと「気の迷い」である。


失うのが怖い、と一日の最後に彼は言った。
恋人のように甘い言葉よりも、彼のその不安に最も気持ちが共鳴した。
趣味の調教のことなどすっかり忘れ、筆者を求めてくれたのが嬉しかった。
短時間の間に2回も果ててくれた。
回数はそこまで大切ではないけど、それでもなんだか頬が緩んでしまう。


身体がムズムズする感覚はよくあるけれど、心臓がむず痒いこの感覚は久方ぶりな気がする。
もう少しちゃんと時間をかけて、関係作りをしていきたい。


あの人からも再び、時々ではあるものの連絡が来るようになった。
彼と、14歳年上男性(B)さんと、19歳年上男性と、あの人。
贅沢な悩みではあるが、筆者はそこまで処理能力が高くない。
「失うのが、怖い」
失うことを自ら呼び寄せているようで、やはり自分は愚かなんだと再確認する。