月に一度は溺れたい

不真面目に真面目なブログです。感情豊かにセックスしたい。

「&(アンド)」を読みました。

珍しいかもしれないけど、自分の人間関係じゃないことを書く。
なんにしろ、BOOK・OFFはオアシスだ。


「&(アンド)」という作品を読んだ。
作者は、おかざき真里さん。

以前お試し読みで3巻くらいまで読んでいて、その時も大変感激したのであるが、今回運命的に再会を果たしたので全巻大人買い
そして、1巻から一気読み。全8巻である。


主人公は医療事務と個人経営のネイルサロンを掛け持つ26歳の女性。
細やかな感情の機微が、美しいタッチで表現される。
彼女の恋の相手は、45歳の敏腕外科医。ガサツで毒舌で偏屈でワケありだが、ピュアで真っ直ぐな彼女に精神的に救われ惹かれていく。
いい歳をした大人の男性が恋だの愛だのに振り回されて素直になれなかったり素直になったりするところは、とても心をくすぐられる。


この歳の差がまた、たまらなくよい。
……というのは完全に筆者の好みの話なのでここでは熱く語らない。
ただ、誰かひとりに夢中になるっていいなと仄かに思った。


「たとえおかずでも、夢中になって自分のこと見てくれる人が居るだけで、嬉しくなることだってあるんです」

何かの勢いで、筆者が誰かに言った言葉である。


真っ直ぐに誰かを好きでいた自分は、いつから居なくなったのだろう。
どんな貴方も大好きだよと、抱きしめられながら言われて流した涙は、どこに消えたのだろう。
僕と付き合ってください、と真っ直ぐに見つめたあの瞳は今何を見ているのだろう。


好きでいることは、好きでいさせてもらうことだと、思うようになったのはいつからだろうか。
あの頃そんな風には思っていなかったはずだ。
好きだから、好き。
愛してくれて、ありがとう。
ただ、それだけで良かった。


もう一度、あの気持ちを抱くことなど出来るのだろうか。
こんな自分が誰かを愛して良いのだろうか。
誰かに愛されて良いのだろうか。