例え、きっかけが中出しでも(その6)
出して欲しいところは、1つしかない。
生理ももうすぐ来るはずで、きっと問題は無いはずだった。
ただその、『きっと』が、とんでもなく不安だった。
付き合って間もない遠距離恋愛の私たちは、2人の時間さえままならない。
お互いの仕事もあるし、育てる時間を作るのは難しいと思われる。
でも、彼の子どもを身篭れることを想像すると、これまでになく幸せな気持ちになった。
「中に出して」
と私から言った。
いいの?
彼が確認するも、腰はもうラストスパートをかけ始めていた。
私は頷くだけだった。
大好き……大好きだよ
いつもは静かに達する彼が、深いキスで絡む舌の奥で小さく呻きながら精を放出した。
私はそれでも心配で、
「不安じゃないの?」
と彼に聞いてしまったりもしたが、彼は冷静になったあとも
あんまり心配はしてないかな〜
とふにゃふにゃと幸せそうに微笑むだけで、不思議な気持ちだった。
とにかく沢山、大好き、と言われ、彼のを受け止めた。
それはとても、幸せだった。
彼いわく、普段よりも凄く出たらしいのだが、一滴も垂れてこなかった。
その様子を彼は、
中でしっかりくわえこまれてる感じがするんだよね
と表現している。