例え、きっかけが中出しでも(その7)
ベッドに座って2人が並ぶ。
彼の左腕と私の右腕が触れ合って、お互いの温もりを感じながら静かな時間が流れた。
嬉しさ半分、不安な気持ち半分の状態であることを、彼に打ち明けた。
不安の割に、落ち着いて話すことが出来た。
○○ちゃん、
ギュウと抱きしめてベッドに横になり、彼が私を真っ直ぐに見つめた。
結婚しよう
息が止まった。
ずっと想いを寄せていた人に。
今、一番大好きな人に。
これからもずっと、一緒にいたいと思える人に。
ずっと一緒、の意味を持つ言葉を言われた。
「嫌われないように……頑張る……」
次から次へと溢れる涙は、まだ自信の無い私の気持ちそのものだったように思う。
もう!大好きだから言ってるのに〜
この時は幸せだと思っていた。
とりあえずは、ご両親に挨拶だね。
色々やらなきゃいけないことは沢山あるけど、一番早い方がいいのはそれでしょう
「そうだね……」
そうだ、指輪は欲しい?
「うーん、まだよく分かんない……」
でもまだ付き合って半年も経ってないからな……
半年過ぎてから、親に話すことにしようか
「結婚云々はともかく、付き合ってる人がいることくらいは、もう言ってもいいんじゃない?
最初の報告が結婚は、それこそ重たくて驚くと思う」
うーん、なんて反応されるか……
生理予定日を大きく過ぎたとある日の中出しで、どこまでも話が具体的になりかける。
責任を取るつもりがあることは重々わかった。
でも、それはただの、「勢い」なのではないか?
私の中でそんな疑問が浮かんでいたが、幸せそうに話す彼に聞くことは、なかなか出来ずにいた。