例え、きっかけが中出しでも(その9)
それから数日が経った。
図ったかのように生理は来た。
さらに数日後、早まって注文した妊娠検査薬が届いた。
ラブグッズと一緒に保管することにした。
結婚という言葉はまだイメージできなくて、考える度に不安が募る。
でも、ずっと一緒にいたいと思える人であることには間違いなくて、その狭間で心は不安定になる。
「どうして、結婚っていう気持ちになったの?」
カメラの向こうで洗濯物を畳む彼に、聞いてみた。
そりゃまあ、『結婚したい』って思ったからだよ
当然のように答える彼を、ぽかんと見つめる。
ああそれは、納得してないって感じだね
彼が苦笑いした。
ちゃんと言った方がいい?
私はコクリと頷いた。
「だって、半年前は好きでもなかったんでしょ」
そりゃあ、そうだよね。
そこは自分でも不思議なの。
でも今はちゃんと、○○ちゃんのこと大好きだよ
照れくさがりもせず、彼は真っ直ぐに言葉を伝えてくれる。
それを彼は、私を真似しているんだと言う。
話してて楽しい、波長が合うって言ってくれたことがあったでしょう?
ある。
彼の感覚と私の感覚がとても近くて、心地よいと感じることがある、と伝えたことがあった。
私もそう思うの。
○○ちゃんに告白された時に懸念されたのは、離れることが確定していることと……
少し言いにくそうに、でも彼は続けた。
『1人にしてくれ!』って思う時があるんじゃないかって思ったこと。
だから、付き合ったところで無理だと思って、振り続けてた。