例え、きっかけが中出しでも(その10・最終回)
それは、今の私が懸念している事だった。
彼は、話したがりで繋がりたがりの私に付き合ってるだけなんじゃないかと、不安に思うことがあった。
でも私は彼と話したくて、その不安を話せずにいた。
でも、距離についてはこうして毎日顔を見ながら話せているし、1人にして欲しいと思ったことなんて1度もない。
むしろ、仕事がしんどくても毎日が楽しくて頑張れるのは、○○ちゃんのおかげだと思ってる。
「だから、結婚なの?」
私は言わずにいれなかった。
「中出ししたから、責任とるために、言ったんじゃないの?」
うーん、と彼は少し考えた。
出来なかった家事とかを頑張って、お仕事にも一生懸命で、可愛いなって思った。
こうして毎日話しているのに毎日飽きないし、楽しくてしょうがない。
1人になりたいだなんてちっとも思わない。
たぶん6月くらいにはもう、○○ちゃんと結婚したいと思ってた。
私は何もわからなかったのだろうか。
彼がこんな思いで私と接していてくれたことを、何もわからなかったのだろうか。
「私と一緒になっちゃったら、私だけなんだよ? 他の人とは出来ないんだよ?」
他の人なんて、要るの?
……あはは、「もう数人経験積んでから出直してこい!」ってやつ?笑
たぶん、彼の口から言ってほしかっただけなのだ。
中出しがきっかけになったことは、認めるよ。
でも勢いみたいなものではなくて、言いたいとずっと思っていたことを言うことが出来た、という感じ。
分かっている、多分そうなのだと理解していても、言ってほしいことがあった。
不安にさせてごめんね
○○ちゃん、結婚しよう
そしてこれでもう、私は十分だった。
胸がいっぱいで、私はまた、彼に心の隙間を埋めてもらってしまった。
「それに、」
それに、私たちには、誰にも負けない“とっておき”がある。
「20年以上前から、繋がってるもんね」
ふふ
それも、もちろんある
それは、付き合って間もない時に発覚したこと。
私たちは昨年度、転勤により同じ職場になった。
同い年だが、初対面だった。
別々の場所で生まれ、育った。
……と思っていた。
私たちは2年間だけ、同じ幼稚園に通っていたらしい。
卒園アルバムには、二人の写真がそれぞれ見つかった。
言葉にしてしまえばとても陳腐だけれど、「運命」は存在すると信じるに足りる事実である。
人との縁なんて、切れるものだと思ってた
転勤族に生まれ、人との別れを多く経験した彼。
そんな中繋がった縁だもの
大切にしたいと思ってるよ
結婚しよう、いつになるかは、分からないけど……。
彼はそう言って、幸せそうに微笑んだ。
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長くなりましたがここまでです。
お読みいただきありがとうございます。
今更ですが、今までのような異性との付き合いはもう辞めようと決めました。
こんな惚気ブログで良ければ、また見に来てください。
それでは失礼します。