最初で最後(その3)
ベッドに押し倒されて、深いキスが長く長く続く。
甘くて苦しくて、声も少し出た。
隣の人に聞こえるから……声は我慢して?
と言われると尚更ドキドキした。
首回りや腰周りを撫でられると反応してしまい、彼の目も段々熱っぽくなっていくのが分かった。
あの時の目だ、と思った。
車の中でキスをしたあとの、ひんやりとした目。
「○○さんは、性欲あるんですか?」
とその時つい聞いてしまった。
あるに決まってるじゃないですか……どれだけ頑張って我慢してると思ってるんですか
そんな風に返されて、性的対象として見てもらえていることを知り、嬉しくなった。
振ったのにキスするなんてできないって思ってたのに、どっかの誰かさんが可愛い声で『お願い……』って言うし。
誘われたけどちゃんと家に帰してきたのに、30分も歩いて家まで来ちゃうし……我慢も限界ですよ?
彼に1枚ずつ服を脱がされながら、そんな話を聞いていた。
下着姿になった時、それを見て
あ、、かわいい
と言われたのが嬉しかった。
○○さん、肌すべすべで白くて、綺麗だな……
とうっとりと言われたのも、ドキドキした。
彼は背中側の肌が荒れていて、悩んでいるようだった。
でも全然気にならなかった。