最初で最後(その7)
行為の最中、睡魔に襲われそうな表情の彼を見て、
「1回寝ますか?」
と提案し、寝ることにした。
危うく全裸で寝そうになるところを窘めて、ちゃんと服を着ようよ、と服を着させてから寝た。
さて寝よう、となった時にいつもの私のアラームが鳴ったので、朝の5時半頃の話だと思う。
寝慣れないベッドだったこともあり何度か目が覚めて、また前の日にそれなりにお酒を飲んだので喉が渇いてしまい、何度か水を飲みにベッドを離れた。
その度に起こしてしまわないかと心配した。
9時頃、彼が1度目を覚ました。
朝が弱いと聞いてはいたが、目を開けたり閉じたり、ぼーっとした顔の彼は珍しくて、じっと見つめてしまった。
具合が悪いのかと思って、
「二日酔いとかありませんか?」
と私は彼に聞いた。
あたまが……いたいです……
「覚えてますか?」
……なにをですか?
「ええと、例えば……なんで私がここに居るのか、とか」
昨夜のことを覚えてますか?と聞くのはなんとなく恥ずかしくて、こんな聞き方になった。
彼は3秒くらい固まって、そうしてガバッと起き上がり、
な、なんでここに居るんですか!
と言った。
私もびっくりして、ごめんなさい、とその場で起き上がった。